逗子、湘南の歯科(歯医者)田中歯科クリニックです。一般歯科、小児歯科、審美歯科、ホワイトニング、インプラント、口腔外科、矯正歯科等の治療を行っています。急患も受け付けます。

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院長インタビュー

患者さん一人ひとりに
「最善・最良」の治療で
対応している歯科医院です

医療法人聖徳会
逗子 田中歯科クリニック
院長・歯学博士 
田中俊樹(たなか としき)

【目次】

  1. かみ合わせは、「ミクロン単位」のバランス作りの仕事の世界です。
  2. 調和が取れているということは、美しく、かつ、機能的である
    ~四角い顔の人には四角い歯、面長の人には長い歯を入れます
  3. 歯だけでなく人間の体のことをもっともっと知りたい
    ~大学院生とアメリカでポストドクターだった頃は、土日も大学で研究生活に明け暮れました
  4. インプラントの萌芽期~「サファイヤ・インプラント」って?
  5. 先生の横顔
    ~波があれば早朝海に入水、体と心を清めてから病院へ、地球が「奇跡の星」だから・・

1.かみ合わせは、「ミクロン単位」のバランス作りの仕事の世界です。

頭蓋骨のある歯医者って珍しいですね。

口の機能を構成する頭蓋骨をいつも手にして、3次元的に把握しておく為の「必需品」です。
海外からも口コミで、いろいろな難症状の方が来院されるのです。

虫歯と歯周炎があって噛み合わせが崩壊している「ターミナル・コンディション」、つまり「口の中が末期症状」の方が来られるのです。
そんな中で本医院が大切にしている治療は、咬合(上の歯と下の歯の咬み合わせの状態)です。

「総入れ歯しかない」と諦めていた方々が「オーラル・リハビリテーション」してまた元の健康な咬み合わせに戻り、喜んで頂いております。

「オーラル・リハビリテーション」って、日本語に訳すと?

口全体の機能回復を最終目標とする『全顎(ぜんがく)治療』ですね。
歯だけでなく、口全体の治療です。

「噛み合わせが崩壊している」というのは、歯はある状態ですか?

残っていても大きな虫歯になっていたり、歯周炎で歯が動揺していたり、顎がずれていて頭痛持ちだったり色々です。

総義歯(総入れ歯)にするにはまだ早い、歯が何本しか残っていないけど、この人にどういう噛み合わせを作ってあげればいいのか?を、治療計画を立てて設計するのです。
それだけでは終わらず「リフォーム」する大工さんの様に、最新の医療機械を使いこなし「リマウス」(笑)する技持ちの技術屋さんにも成らなくてはいけないんです。

もちろんちゃんとした医療理論の背景と、『どうか良く成って下さい』と言う心からの祈るというか、神様に依頼する時もありますね。

もう少し解りやすく説明しますと、正常な噛み合わせって言うのは、上顎(じょうがく:うわあご)と下顎(かがく:したあご)の骨に植わっているそれぞれの14本、合計親知らずを入れずに28本で構成されています。

上の歯はというのは、「頭蓋骨」に位置しているのですね。
くっついて動かない「不動性」ですね。
下の歯っていうのは、2つの関節を介して筋肉でぶら下がっている「可動性」な訳ですよ。

ですから、話したり食べたりするのは、下の顎が動いて機能を営んでいる訳ですね。
上の歯は目の高さがあるように「骨学的な基準平面」という上顎骨に植わっている歯の高さがあるのです。

1955年にドクターハリークッパマン達が、10000個以上の頭蓋骨を計量分析して、統計処理して得た結果、上顎骨に並んでいる歯の高さが、1つの決まった平面に並んでいることを発見したのです。それをヒップ(HIP)プレインと名付けました。

「2つの臼歯切痕 ; Hamular notch と 切歯乳頭 ; Incisive Papilla(下の写真参照)を結んだ3点の成す平面と平行なところに上顎の歯が並んでいる咬合平面の発見でした。

但し、この調査分析された頭蓋骨は、古代人の物で現代人との差が未だ数値化されていないと言う問題が残っています。

人種と食生活の違いなどのが、歯の形に影響を及ぼしていることもその要因として考えられますが、まだ世界的に定説は出ておらず、私も日々研究中です。

本医院の治療は、これらの理論を元にマイオコンピューターを考案された芝工業大学をへて技工士をされている尾澤暢彦先生(東京デンタルクリエイト所長)と連携をとり、最終補綴物を作成しております。

今までに数百症例の患者さん一人一人の理想的な咬み合わせを再構築し、良好な結果を得て患者さんに喜ばれていると自負しています。

こういう装置を使って、上顎の咬合平面を先に設定するのです。
それで基準の一番理想的な上顎歯列の平面を作った後に、下の咬み合わせを作っていくという理論ですね。

噛みあわせとして機能していない歯を、ゼロから作っていく・・・。

現在、日本でも世界でも、咬み合わせをゼロから作っていくための治療ハウツーが、まだ確立されていないんですね。

「咬み合わせ」は、ウェキペディア(利用者が自由に執筆できるインターネット上のフリー百科事典)の中で検索して調べても私自身を納得させる定説がないんですね。
腑に落ちてこないです。
諸説あり過ぎて、明確に数値化されていなのです。

そこを今、本医院でのヒップ(HIP)プレインを用いた治療結果が、審美的にも機能的にも良好な結果が出ているから形にしなくてはいけないといことで、学術論文で発表したり、専門誌に発表しているのです。

「オーラル・リハビリテーション」で元気になった方もいらっしゃるのですね。

もちろんです。

日本全身咬合学会という私の参加していた勉強会が、尾澤文貞先生を中心に丸山剛郎先生などの協力を得て学会にして、広く歯科医師の先生方だけだなく医師、整体師、鍼灸師などの専門家の方々と一緒なって大事な咬み合わせと全身との関わりについて研究と最新の情報交換の場を構築したんですね。
咬み合わせを治すことで、メタボリズムや不定愁訴などが良くなったというデータがいっぱいあるから、噛みあわせというものに焦点を合わせていきましょうよ、という学会です。
学会設立時には、そこの評議員でした。
現在でも咬合治療に関しては色々な流派があります。
それだけ難しくて、奥が深い。
ですから、日進月歩で自分の治療技術を前進させるためにも研究グループや勉強会に参加しているんですね。

本医院は、大学の施設協力医院と言う位置付けでもありますので、後輩達に最新最良の治療を実践して教えていく義務もありますからね。

口の中は、みんなオリジナル、個性的です。
同じ物は1つもない、一人ひとり違うんです。

その人にとっての本来のあるべき姿を再現することは、本当に難しいのでかえって「やりがい」があるんです。
完成した技巧物が出来てきたとしても、実際に患者さんの口の中で試的してみて、ミクロン単位の調整をしなくてはならないですよね。
噛み合わせのバランスをとるための治療法は、BULLの法則を基本にそれぞれ患者さんごとにアレンジしています。

口の中は、まつ毛(約50ミクロン)が一本入っても感知できる程感度の高いところでしょ。
逆に、髪の毛一本程のサイズの違う冠や詰め物が、ストレスの原因となって咬合性外傷(こうごうせいがいしょう:歯の寿命に影響する噛み合わせによる損傷)という医原性疾患を引き起こす事もあるんですよ。

例えば、歯と歯の間の接触する部分を「コンタクト・ポイント」というのですが、
だいたい「50から100ミクロン」の隙間なんですよ。
大きすぎると物が詰まって歯肉炎の原因になりますし、詰まりすぎると歯根膜(しこんまく)を圧迫するので、歯根膜炎を引き起こし痛くなる事があります。
じゃ、どうやってこのミクロンサイズを診査し適合させるか?と言うと、デンタルフロスが「パチン」と小さな音を立てて通るくらいの「50から100ミクロン」のサイズ合わせます。

ご自身でやってみてください。
そこの調整をシリコンポイントで削ったり、銀ロウを流して盛ったりしながら、最終的にそれぞれの人の個性に合わせる基本的な歯科医の技です。
髪の毛一本のサイズが、平均で80ミクロですからー、非常に細かい仕事なのですね。
ミクロン単位の仕事なんですよ。

全顎治療となると、上顎の歯の間は最多27箇所の水平的なコンタクトポイントの調整ですよね。

それに加えて縦、斜め、前後の下顎の歯の運動径路に合わせて、これと同じようなミクロン単位の調整が28本分加わる訳です。
当然、ハイレベルの技工士とのチームワークですね。

30年来ともなると、お互いに切磋琢磨して調整が少なくなってくるのですが、季節によって型を取ったり、石膏を練る水の温度に差が出るので収縮率の違いが最終補綴物にも出てくるのです。
ですから、どうしても最終的なミクロンの調整を、患者さんの口腔内でやらざるを得ないのです。

咬み合わせと全身のバランスをとって、「機能的」にも「審美的」にも健康な状態を作り出す。

この治療のプロ集団が「田中歯科クリニック」なんです。

私一人じゃないんですよ。
これは、世界の最先端の物作りや医療グループと相通じる物があるのではないでしょうか。

インプラントを外科的に植立するというのは、全顎治療のごく一部でしかないのです。
私にとっての難易度としては、中程度です。

最終的に難しいのは咬合のアジャストメント、ミクロンのバランスの調整ですよ。
その他の重要なポイントは、冠や詰め物にどういう素材を使用するか?も重要です。
ジルコニアは白くて変色しないというけど、歯より硬すぎるという欠点もある。

どの素材をどうやってどこの部位で使いこなすか?というところまで気を巡らす訳です。
「オーラル・リハビリテーション」というのは、歯科の集大成なんです。

あらゆるものをデータとして持っているだけではなくて、実際に使いこなせる技を持つ「職人」であり「設計者」であり、さらに「外科医」でないとできませんからね。

ところが、例外もあるんです。
先日、アメリカ人の患者さんが来院されて、「一本一本の治療だとはお金がかかるから、歯を全部抜いて総入れ歯にしてくれ」って言われたんですよ。

え~~~!?

30代くらいの人で10本程残った歯を全部抜いて、土手を残して総入れ歯にしてくれと。
そうすると、お金もかからないし虫歯にもならない、手間もかからないという考え方。
それにはすごくショックでしたね。
若いから歯ぐきの土手もしっかり残るんですよ。
歯槽膿漏がないから、骨吸収も少ないですからね。
そういう考え方もあります。

でも、私が求めているのは、一番自然に近い美しい形なんです。

最近興味があるのは「黄金比率」と「大和比率」による美意識。
黄金比率は、宇宙のものだから、すべての生命体が何処かに黄金比率を秘めているのです。
ピラミッドだけじゃないんですよ。隠れミッキーみたいに(笑)

1:√2、つまり、1:1.618は、エネルギーをコントロールする割合なんですね。
宇宙のエネルギーを受けているものは、螺旋(らせん)状になるんですよ。

アンモナイトも螺旋ですよね。

顔の中に黄金比率を持ち込むことによって、非常に理想的なバランスのとれた顔になるんです。
只今検証中です。

2.四角い顔の人には四角い歯、面長の人には長い歯を入れます

黄金比率だけでなく、統計学的に、一番の前の歯の中切歯(ちゅうせっし:真ん中の前歯2本)は、顔の輪郭の横はばと生えぎわからアゴの先端までの長さが、女性は1/17、男性は1/16という大きさを逆さまにした形が、その人の顔に一番合って美しく機能的な形だと言われています。

四角い顔の人には四角い歯を、三角の顔の人は三角をひっくり返した歯を、面長の人には面長の歯をということまで、ちゃんと追求してアレンジしてあげることによって自然に見えるのです。

すごい発見ですね。先生の発見ですか?

いいえ。
ドクターアールパウンドだったと思います。

増田先生の考案されたツースセレクターを活用しています。

みんながみんな同じ形の歯でフィットしませんよね、確かに。

「個人が持っている個性」と、「一番バランス取れているもの」の調和のとれていることが美しいではないでしょうかね。

個人差をちゃんと計算式で出してきて数値化しないと、理論じゃなくなっちゃうんですよ。

感覚じゃ、だめなんですね。

いやー、感覚も必要です。
特に審美に関しては、術者の感性が要求されますね。
美しいと感じる口元を客観的に観察する術者の目は、「数字」ではなく「感性」です。
数値化したものを、感覚でオブラートするのが一番理想かな。
計算式が基礎にあって、あと肉付けしたり装飾したりは感覚がないとできません。
美意識には、個人差があるでしょ?
建物でいうと「骨組み」と「内装・外装」といったところでしょうか。

数値化されたものが基本になっていて「そのベースは一体何ですか?」と聞かれたときにちゃんと答えられるような歯科医になりたいな、と思っているんですね。
それを皆さんに発信できるように、データベース化したいと思っています。

3.大学院のとアメリカの研究室では、土日も研究生活に明け暮れました

どんな学生時代だったのですか?

大学時代の6年間は、鎌倉の稲村ガ崎の海の側のアパートで一人暮らしでした。
毎日ヨットとサーフィンで、海にハマってましたね。
学校の勉強にはあまり熱心ではなかったです。(笑)
その分、歯科大生以外の友達が一杯できましたし、3年生の時、1972年に学内にサーフィン部を作ったんですよ。
楽しんでいました。
卒業したらサーフボード片手に世界中を旅しようと、気楽な夢を描いていたんです。

ところが、卒業試験のある科目だけ成績が良かったので、大学から直接実家に「大学院の入学試験を受けないか?」というお誘いの電話が入ったものですから、親は大賛成『君は学生時代に十分遊んだんだから、少し勉強しなさい』の父親の一言で大学院に行くことになっちゃったんです。最初は渋々でしたが(笑)。
今思えば、本当に良かったな、と思えます。

両親に心から感謝です。
大学院の研究論文のテーマは「呼吸性アシドーシスが引き起こす歯髄内結石」です。
これが僕の学位論文集です。


何の写真ですか?

歯の中の写真なんですけど、呼吸性の「アシドーシス」、いわゆる「酸化・老化」することによって、恒常性なメカニズムが狂ってくる。
老化すると、生体内にいろいろな「石」ができるじゃないですか?

腎臓結石とか尿結石と同じように、歯の中にも「歯髄結石」が出来るのではないか?
という仮説をもとに、実験的に動物を慢性的な呼吸困難の病態にした後に、顎を取り出し何千枚という病理切片を作り、3年以上毎日顕微鏡で歯の中の結石を探し続けました。

そして、あるグループの歯の中に結石を発見したのです。
あの時は感動しましたね。

何の動物を使ったんですか?

ラットですね。

何百匹というラットの命を頂き、何千枚という切片を作って、色々な染色や非脱灰切片を作ってレントゲンを撮ったりしました。

研究生活というのは、地味で結構根気の要る仕事ですよ。
でも、学年で一番先に論文ができたのは、指導教授の伊藤春生先生や、(故)北村博則先生とのお陰様なんです。
本当に有難いです。

北村先生は、英国から勲章を頂いている程の「発生学」の世界的権威者でしたからね~。
生体内に石灰化が起こり出す最初のステージは、「不十分な呼吸が、血液を酸性に傾けることから始まる!」ということがわかったのです。
この成果に、両先生がすごく喜んでくれました。

特に、主任教授の(故)北村先生が、ご自身の研究の集大成として出版された;EMBRYOLOGY
OF THE MOUTH AND RELATED STRUCTURES の中のトピックスとして、私の歯髄結石の実験結果を唯一の名前入りのカラーページで掲載してくれたのには、驚きました。
全世界の歯科大に配られました、全部英語の本ですよ。

『これで君は、世界中で有名だよ』と言って笑ってらっしゃいました。
そして、大学に残って研究を続けないかとお誘いを受けたんですがー
でも、自分としてはどうしても「研究者に向いていない、これ以上動物を殺す事は性に合ってないし、臨床に携わり患者さんの治療をしたい」と思ったのです。


でも、それくらいすごい発見だったんですね。それは、うれしいですね。

石灰化を起こし始める時に、細胞が螺旋状に回転をし始めるのです。
本当に、発生学的にはそれだけすごい発見だったんです。

それが僕の大学院での研究テーマでしたね。
大学院のときは、土日も学校に泊り込んで研究研究に明け暮れましたから。
大学院は4年間なのですが、3年で学位論文が、書き上がりました。

先ほどの先生方のお陰で、最年少で学位論文の審査に受かりました。
ちなみにこの本『霊魂と肉体』も北村先生の本です。

学業以外にも、精神世界の事についても色々とご指導を受けました。
『一霊四魂説』いまだに勉強中です。


大学院の4年生の時に週1日、卒業前に日本橋の福岡歯科で臨床の研修を初めていたのですが、卒業する頃に、今度はアメリカからアプローチがありまして。
またしても、臨床家になる事を先送りにして、『帰国したら必ず福岡歯科に就職する』との約束をして1年契約で予想外のアメリカ留学がトントン拍子に決まったんです。
実際にはもう少し長くなったんですが。

アメリカの「ジョンソン・アンド・ジョンソン」という大きな製薬会社がありますよね。
そこのメディカルディレクターのドクターチョウと言う先生から「新薬の研究をするのに全米の大学で実験依頼をするので、そのスタッフとして来てくれないか」という依頼がありました。

いろいろな場所の大学があったのですが、その中で僕は海が好きなのでなるべく海が近い暖かいところいうことで、南アラバマ州立大学を選びました。(笑)
ポストドクターフェローシップの審査に合格して、ポストドクターフェロー(博士研究員)として医学部の薬理学教室に就職したんです。

行った大学は、アメリカ南部では、有名で華やかなレベルの高い大学でした。
ドクターグレーンという全米で一番若くして教授になったチェアマン(学部長)がいたり、活性酸素をみつけたドクターマッコードっていう人が生化学教室にいたりして、みんな輝いていました。

そこでは、ユダヤ人の有能なドクターグリーンバーグと出会って「血管平滑筋(けっかんへいかつきん:収縮と弛緩によって血管径の調節を行う筋肉)の仕事をやらないか?」といわれて一緒に研究を始めました。
色々な、良い研究成果を短時間で出せました。
「日本人は良く働く」と重宝がられました。

何せ本人は、日の丸を背負っている意気込みでしたからね。
「絶対に成果を出す」ってね。

最終的に私たちの行った実験結果は、専門誌の論文となり、むこうの医学部の教科書に名前を残す事にもなりました。

ここに僕の名前もあります。

血管平滑筋の研究成果が、足跡として残すことができたんですね。
ただ遊びに行ったんじゃなくて、勉強に行きましたので。
そこでも泊り込みで研究し、いい仕事ができました。
残念だったのは、相模湾と違ってメキシコ湾は遠浅で、サーフィンの出来るような波が全く立たない地形だった事でしたね。
真っ白なだだっ広い海岸に、ポッンと一人。
本当に富士山が、懐かしかったんです。
だって、南は海の水平線、北と西と東に向かってハイウエーを高速で一日中走っても山が見えてこない、景色が変わらない日本じゃ考えられない世界でしたからー。
それに、南部の訛りのある英語を話す大男に巨大なお尻の肥満体婦人、笑わない黒人たち、肌で感じる黄色人種に対する差別、教養があり優しい人達、雑多なアメリカ社会に生活して気がついたんですねー。
国際的な感覚、身を以て10年分の人生勉強をさせてもらいました。
日本にいたら分からなかった自分の中の白人コンプレックスが無くなって、逆に日本人のプライドを持つようになりました。

約1年半後、日本に戻ってきて、神奈川歯科大学の非常勤講師になって、このアメリカで研究していた血管平滑筋の実験方法を麻酔科の小林先生と一緒に日本で再現することに成功したんです。
そこからまた、新しい学位論文とか研究とかが日本でも行われるようになったのです。
それでやっと研究生活を終えて、渡米前に臨床研究でお世話になった福岡歯科に戻りました。
ここは日本で三本の指に入るくらい大きな歯科医院で、分院が4つあってドクターが15名くらいいて、そこで4年程ハリ麻酔の勉強をしながら、経営とか患者さんに対する医療人としての心構えから挨拶、礼儀作法まで勉強させてもらい4年目には本院の院長を任されました。

福岡歯科に勤務している間に、土日は赤坂の紀尾井町ビルにある、日本歯学センターの(故)田北敏行(たきたとしゆき)先生のところでポストグラデュエイトコース、つまり卒後研修に参加しました。
田北先生は、「1000万円の総義歯を作る腕を持つ」と噂されていたカリスマデンティストで、(故)本田宗一郎氏を初めとする、一流を求める財界人の方の主治医だったんですよ。

当時は今のような研修医制度はなくて、卒業すれば誰でもすぐに開業医になれました。
卒後の研修施設が少ないので、大学の助手や講師それにすでに開業されていた歯科医の先生方が学べる、大学よりもワンランク上のテクニックや総合診断を講義し症例報告するところです。
最初は研修医として、3年位して講師としてスカウトされ実習などでお手伝いさせていただきました。

休みなしですね。

全国から集まってくるんですね。
最終的には、私も開業の先生方に講義、ケースプレゼンテーションをしていました。
それが終わって、自分で「ある程度のことはできる」という自信がついたので開業しました。

最初は、都心で開業する予定だったんです。
銀座とか都心でいろいろなテナントを見たんですけど、葉山から朝の通勤道で逗子の銀座通りを通った時に、
たまたま見つけたビルに貼ってあった「テナント募集」の看板。

さっそく値段を聞いたら、東京の銀座の半額だったんですよ(笑)。
広いし海も近いし、そのころ葉山に住んでいましたから。

縁もゆかりもあって「逗子」ということになったんですね。

何も東京でやる必要はないと気付いて、自分の好きな街がいいかなと、長年住んでいる湘南、だから逗子を選びました。
生まれは神戸で大学に入るまでは神戸にいましたが、大学時代は、稲村ガ崎の海の近くの一人暮らしをしていました。
大学の仲間のほとんどは学校近くの横須賀に住んでいましたが、僕は海が好きだから海の近くに住みたいって、6畳一間の安いアパートです。
早朝に稲村ガ崎の岸辺で波乗りして、それから極楽寺駅から江ノ電に乗って電車通学。楽しみましたね。
母親が、逗子育ちで海が大好きなもので、そのDNAかもしれません(笑)。

4.インプラントの萌芽期~「サファイヤ・インプラント」って?

福岡歯科の院長をやっていた30年前の話です。

当時、出初めのインプラントを始めたんですね。
そのころ京セラの「サファイヤ・インプラント」といって、透明の人工サファイヤをT型にしたものを歯槽骨の中に埋め込むというテクニックが一番新しかったんですけど、それを最初にやってみたんですね。

人工サファイヤだったんですね。

その患者さんが、いまだに来てくれています。
インタビューOKと言っていたので、ぜひ話を聞いてみてください。
患者さんインタビューページへ)

おいくつぐらいの方ですか?

僕と同じ60歳くらいじゃないかな?インプラントして30年経ちました。

30年!そんな長持ちするインプラントだったら、いいですよね。

でも、京セラはサファイヤ・インプラントを作らなくなっちゃったんですね。
今でもOKだと思っているのですが。
時代の流れで、確か平成元年、次に日本の臨床に出てきたのはスイスのストローマン社の「ITI」、チタン製のスクリュータイプのものが出てきたんですよ。
その第一回の講習会が、シンガポールであったんですね。
日本ではまだ厚生省の認可を受けていないものですから、手術道具と本体が買えないんですよ。
シンガポールまで行って、そこで研修を受けて持って帰ってくるという方法で挑みました。

インプラントの生き字引みたいですね。

予後がサファイアより良いということで、あっと言う間にチタンのスクリュータイプの流れになっていったんです。
そのあと、15年くらいたってから大学でもようやく導入するようになりましたね。
インプラントに関しては、何百症例させていただいて、かなりの本数を経験して、良好な結果を得ています。

5. 波があれば早朝入水、体と心を清める。地球がスペシャルな星だから・・

医療以外のお話も聞こうと思っていたのですが、サーフィンがお好きとか・・。

波があれば、早朝に海に入ります。
それだけ、私の心を引っ張る力が強いんですよ。

自然の中に入って自然と一体になる。
地球は宇宙の中でも、ものすごくバランスのとれた中に位置しているわけです。

太陽は、地球の100万倍の大きさですよ。

太陽からちょっとでも離れると寒くなって水は凍ってしまうし、逆にちょっとでも太陽に近づくと水は干上がってしまいますよね。
絶妙なバランスのところで月が地球の生命体のバイオリズムを作っているという、本当に計算しつくされた星が「地球」なんですよ。
宇宙の中でも「奇跡の水の星」といわれています。

ですからここに、いろいろな知的生命体が興味をもってやって来るんです。

またその話は今度。(笑)

●先生のご家族の写真です

●先生のお父様の作品です

(インタビュー 2015/12/8)