2017.10.23
1 ) 診断 Diagnosis
的確な診断を行うためには、なるべく多くの情報の収集をする診査を行う必要があります。
又、主訴の現状の把握と原因の洞察、治療計画の優先順位を決めるための的確な診断名は、治療時間の短縮につながります。
A) 予診表ー(写真1)
記載事項の確認
特記事項に関してはわかりやすく赤丸を入れる。
患者の自己申告による病状及び健康状態をある程度把握し、対面と同時に挨拶、雑談 (天候等について、安心感を与える言葉がけ)により、意思の疎通と患者の要望を
事前に聞いておく。(教科書的な診断と治療方法とが、異なる場合がある)
B) 傍診(患者さんの気を診る)
聴診(声の張りトーンを聴く)
臭診(虫歯の腐敗臭、口臭)
虚実の診断
患者さんの全体像を診る
虚 : 元気がない 気が抜けている
痛みや熱の肉体的病状に精神 も病んでいる
→自己免疫力の低下、予後不良
実 : 元気がある 気力がある
肉体的病状があるにもかかわらず精神が健康
→自己免疫能力の活性、予後良好
C) 問診
予診表に記載された事項を
復唱確認する
特に赤丸で記した現病歴や他の疾患に対する薬の処方等について詳しく問診する
予診表にはないが、習慣的食生活の中での砂糖の摂取量や使用している歯ブラシの硬さ、歯磨剤の量、歯ブラシのかけ方等についても問診する。
D) 視診
出血、腫脹、実質欠損(虫歯、歯牙喪失)の大きさ、色、咬耗、不良補綴物、歯石の有無、等
E) 触診
動揺度、腫脹の大きさ、
拍動の有無、
F) 打診
水平、垂直、咬合方向より
G ) 温度診 冷水 冷風
(熱いものを食べた時に痛みがあるかどうかは問診する)
H) 画像診 デンタル、パノラマ、セファロ、
I) 咬合診 (写真2)
問診票による噛み合わせと全身状態の数値化
咬合紙を用いての咬み合わせの 状態の把握
咬合性外傷の有無
上記の診査項目を総合的に検証し
診断名を下す。
ただし、多くの場合は1つだけの病名ではなく複合的な病状が重なり合っていることが多いことに注意する必要があります。
特に本院では、咬み合わせを患者さん一人ひとりに合ったバランスの良い状態にすることを本医院の治療の最終目標としています。
Personal Balanced Occlusion
これが、全身の健康状態を改善できる大きな要因の1つだと考えています。
そのためにも最終的な治療として、正常な咬み合わせかどうかの診査、診断とミクロン単位のバランスを取る咬合調整治療を行っています。