2020.08.07
まず「未病」とは、健康と病気のグレーゾーンの状態を言い表す中国医学用語です。
例えば、肩こりや首こりなどが、わかりやすい例えだと思います。完全な健康状態ではなくまた病気と言うほどでもないと言うような状態です。
それらの状態に、適切な処置(治療)肩こりであればマッサージのようなものを行うことによって凝りが取れると言うな、いわゆる「転ばの先の杖」的な処置を行うことにより、病気を未然に防ぐことができるのです。
既に神奈川県は、この「未病」キーワードにいろいろな事業を展開しています。健康寿命伸ばすためのコンセプトです。
ただ残念ながら、全体の事業予算割り振りを見るとフレイル対策に関する予算付けが多く見られます。
「フレイル」と言うのは、2014年に日本老年医学会が提唱した概念であり、老化に伴う機能障害と、精神的心理的障害などにより社会参加困難になることを意味しています。
一方「未病」は年齢には関係ない病気の前段階の状態を表しているので、歯科においても「オーラル未病」と言う概念の方が、よりわかりやすく口腔内の未病の対策として明確な方向性が見えると言えます。
WHOなどが参加している世界の疾患の調査において、代表的な300の疾患の中で一番多かったのが、なんと「永久歯の虫歯」でした。
口腔内の健康が全身の健康に深く関わっていると言う事はすでに多くの論文で知られています。
日本の厚生労働省の調査においても、口腔状態に不安を抱いている人が全体の41%であったことを報告しています。
それをわかりやすくするために、上記のようなグラフを作ってみました。
この概念を多くの医療関係者に知っていただき
口腔機能の疾患の「早期発見、早期治療」が、未病対策に最も有効だと考えています。